半期の授業設計ワークショップ
2022年7月20日(水)20:00-22:00 場所 Zoom
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2021年9月15日(水)20:00-22:00 場所 Zoom
教員の実践力向上のための理論的な裏付けと具体的対応について全国で活躍するファカルティ・ディベロッパー(FDer)から学ぶ。
『オンライン授業における有効な教育手法について』
・大人数授業での学生とのコミュニケーションの取り方
・能動的な学習姿勢を取らせるための指導方法
・カメラオフしにくくなる授業の流れ
・呼びかけても、チャットしても学生からほとんど反応がない場合の授業の改善方法
・留学生が多い授業で活用できる双方向の効果的な手法 等
監修・統括責任者/髙橋光輝 学部長
1、講師紹介
2、ゲスト講演:オンライン授業における有効な教育手法について
(羽根拓也 特任教授 )
3、質疑応答
教員が相互に各自の指導方法を共有し、そこから得た情報を指導力向上の一助とし、デジタルハリウッド大学・大学院全体の教育効果を高める。
※FDとは?
■Faculty Development
Faculty = 教える立場にある人 教員、教職・員
Development = 成長、発展
『オンライン授業における有効な教育手法について』
【講師】デジタルハリウッド大学 特任教授 羽根拓也氏
コロナ禍、オンラインが不可欠に
オンライン教育が不可欠になってきている中でアクティブラーニングラーニングがデジタル上でやりやすくなってきたと実感しているとの私見から、いくつかのオンライン教育の実践例を紹介した。
オンライン教育の効果の是非
オンライン授業と対面授業での以下の点についてグループセッションで意見交換をおこなった。
➀オンラインはこういうところが上
②対面はこういうところが上
③どちらが教育効果が高いと思う?(どちらかと選べと言われたら)
その後、Zoomの挙手機能を用いて参加者の反応が共有されることを紹介し、オンライン授業が良いと回答した参加者と対面授業が良いと回答した参加者の意見共有がなされた。
[対面授業派]
教員A:対面の良さはグループディスカッションにおいて周りの雰囲気や会話を感じられることで自分たちのディスカッションも活性化する。Zoomのブレイクアウトルームでは隔離されたような環境になるため、会話が盛り上がりにくい。
オンライン授業の良さは、小テストですぐにフィードバックがし易い点で、学習効果が高いと実感している。カメラをOFFにしている学生については理解度が認識しづらい。
教員B:基本的は操作を教えるのはオンラインでも大丈夫だが、高度な技術や細かい作業においては丁寧に教えたい部分が学生に伝わりづらい。実際に画面を見ながら学生の傍について指導できるのはやはり対面ならでは。作業中に困っている学生はZoom上だと伝わりにくい。
[オンライン授業派]
教員C:出張が多いため、地方からでも授業ができる。対面授業だと、学生の表情や反応が気になってしまうので、テキストでのやり取りやカメラOFF状態でも自分に合っている気がしている。
教員D:対面の良さは実際に学生が作業で困っているときに実際に画面を見て何が起こっているのかを把握しやすい点。オンラインは効率的に進められるので良い。質問はチャット等に記載してもらうことで時間短縮になる。講義は録画して後日学生が繰り返し視聴できるところがオンライン授業の良い点である。
教員E:今までできなかった別次元の授業・教育ができ、海外とも繋がることができる。
オンラインにしかできないことを足していけばオンラインで不足していたものを補うような教育ができると感じている。
授業設計の項目
授業を行う上で、受講者の傾向確認、事前準備、授業設計が重要であることが説明され、オンライン授業に活用できるツールの紹介などもなされた。
1.傾向確認
受講者の傾向を把握する。傾向を把握することによってメッセージが響きやすい。
➀最近の大学生の傾向
②高校生の傾向
③DH生の傾向
④夏休み後の傾向
その後、上記の項目についてグループセッションで意見交換をおこない、参加者の意見共有がなされた。
教員F:最近の学生は真面目で、提出物を必ず提出し、授業は必ず出席する。スペックが高い学生が多い。昔は一つの事に秀でている学生が多かったが、今の学生は何でもこなせる。
学生の様子は夏休み中も日常と変わらない感じだった。
教員G:当初は教員の指示に従わない等個性が強い学生が多い印象だった。優秀だが突出した才能を持っている学生は少なくなった。
教員H:タグラインを変更したキャンペーンの実施後より様々な学生が本学に興味を持った結果、倍率も高くなり学生の質が変化した。卒業生や教員の活躍が認知されてきている。
教員I:最近の大学生の傾向は社会意識が強く、負荷を避ける傾向にある。高校生はデジタル力、プレゼン力、AL力の上昇傾向がある。本学学生はより丸くちゃんとしている学生が多くなった。夏休み後の傾向はクラスを楽しんでいるようで意外にだれていない。
2.事前準備
ソフト面をしっかり構築すれば授業はほとんど上手くいく。
1.ソフト
・カリキュラム(全体設計)
・山と谷をどう作るか
・提示→理解→習得→活用(授業後)
提示と理解の違い
提示→自己思考→正解(提示)→練習→習得→できる体験→活用
2.ハード
・パソコン:2台以上、大画面、高い台、自転車
・カメラ
・スイッチャー
・便利ツール
その後、ソフト面とハード面の工夫についてグループセッションで意見交換をおこない、参加者の意見共有がなされた。
教員J:自分が画面共有したり学生の画面を見たりする際、無料ツールOBS
Studioを活用し複数画面を切り替えながら授業を進めている。あらかじめ画面の中に枠を作成し、複数の画面をサイズを変えて表示したりできる。手元で切り替えられるので使いやすい。
教員K:デジタルに疎く、学生にもオンライン授業で色んなことを聞いている。ディスカッションが盛り上がらない場合、好きなお菓子を持って授業に参加し、そのお菓子についてディスカッションする時間を取るようにした。そうすると次回から盛り上がるようになった。
3.設計
➀開場 ②開始 ③オープニング ④本編 ⑤クロージング
➀開場
声掛け、顔出し(強制ではない)、よもやま話(ここが大切) ALでは20分かける
②開始-スイッチを入れさせる
面を変える、始まった感を出す
肯定的な印象
明るさ→壁紙も影響
個性「●●先生の授業が始まった」
③オープニング
開能タイム
興味関心、意義の確認
今日やることは面白そう
これは得るものありかも!
写真、動画、ネット素材を多用
④本編
提示→理解→実践→習得→展開(明日へ・能動学習へ)
段階的展開
解説→全体対話→解説→GP対話
課題→GP実践→解説→個人実践
⑤クロージング
まとめ
NextStepの提示 今日からできること(生活で)
教員L:2Qでは対面での予定だったが急遽ハイブリッドになった。
実技の授業においてオンラインと対面で受講している学生の温度感を同じようにひっぱっていくことが難しかった。温度感の差が学生にも感じられていた。
⇒ポイントとしては、対面とデジタル人をいかにシームレスにするか。オンラインの受講者が対面を対面の受講者がオンラインを楽しみに見るようなファシリテーションにすることが大事。自身が教室にいるなら、空間を大事にする。
デジタルと対面をうまく行き来させる。オンラインでしかできないことはオンラインの受講者にさせる。回答の仕方はオンラインのほうを飽きさせないようにする。
対面は対面の良さを引き出す。授業に参加している感を大事にする。